ツーソン経由のローズ

 今日は人前でスピーチする機会があった。誰よりも内容のあることをしゃべって、受けを取りたい、というよこしまな願望が頭をもたげたので、スピーチは醜悪なものとなった。「自分をよく見せたい」という願望が事態を悪化させる原因となるのはわかっているが、わかっているからとてその願望が止まるわけでもない。結局、場の空気が読めず、誰よりも空疎で軽薄な話をしてしまった。それで今ちょっと自己嫌悪に陥っているところである。私って浅薄な人間なんだから、話に深みがぜんぜんないのは当然さ。いまから内容のない浅ーい話をするから、耳の穴かっぽじってよーく聞けよ。などと開き直ることも、まだちょっとできない(気弱)。
 この一件で感じたのは、「飾らないことの難しさ」である。よく、「ありのままの自分を愛しましょう。」という言葉をよく目にするが、なかなかありのままの自分には満足できない(何でや、ロズ子。「足ること」を知れ!!!)。何とか自分の描く「理想自己」に近づこうとして、かえってハリボテの自分をさらけだしてしまう。おほほほ、私、ハリボテですのよ。と心の中で思ってはいるが、それを気分よくさらけ出すことはできなくて、かっこつけようとして失敗しては、結局自己嫌悪にはまり込んでしまうんだよなあ。
 私の理想は、常に力を抜いた状態でいることである。身体に1本中心線が通ってはいるが、そこ以外はぐーにゃぐにゃ。無駄に力を入れたり、周囲や欲に左右されたりしない。いざというときは瞬時に集中でき、でもあるがままの私でいて、決して自分を粉飾しようとしない。いつも粉飾に走って、肩に力が入ってしまう(だから常に肩コリコリ。)の私には難しそうだ。
 「ありのままの私でいる」というなんとも魅力的な生き方をするためのサポート石は、やっぱりローズクオーツであろう。そんなわけで、現在売り出し中のツーソン石では、私はやたらとローズを注文している。今年は、(現在、私の中では問題の)マダガスカル産がほとんどだ。
 一口にローズと言ってもさまざまな色調がある。私が求めているのは、むちゃくちゃに濃い色のローズクオーツだが、今年は非常に透明度の高い(値段もそれに伴って高いらしい)マダガスカル産のローズも出たそうで、そっちにも興味がある。透明なローズって、どんなのかな???やっぱり光あふれる感じ???
 ローズはありのままの状態になることをサポートしてくれそうな石に思えるので、いろいろ集めてしまうのである。ゆがんだ自己愛や欲によって、中心線からぶれた「私」のゆがみを、内観することによって少しずつ正常に近づけていく。その「内観すること」をローズはサポートしてくれるのではなかろうか。だから私はローズをを求めてしまうのではないか。まずは現在の自分の姿をしっかり見ないと、理想に近づくための修正作業もできないし。
 こんな心性でローズに引かれて買い集めてると、そのうち葉子さんみたいに、ローズだけでグリッドが組めるようになっちゃうぞ。なんたってハンドルネームも「ロズ子」だし。
 でも、ピンク系のグラデーショングリッド作って、ガンガンやるってのも、すごくいいかも。そうなると「ゴレンジャー」のモモみたいな、勧善懲悪アクション系のニオイもする。荒地のダイナマイト爆発!!!がローズの群れにはよく似合う、ってか。
 …いったいどんな話や。